「農業に挑戦したいけど、いきなり始めるのはちょっと……。」
とお考えの方もいるかもしれません。
たしかに、知識もなく農業を始めるのは抵抗がありますよね。
そんなときにオススメなのが農業学校!
農業学校は、農作物の栽培方法や農業機械の動かし方、農業経営などが勉強できるため、農業初心者にピッタリです。
また、農業の学校は多種多様で、高校や大学、専門学校、大学校、スクールと幅広く開講されています。
「仕事と両立しながら農業を学んでいきたい」
「会社を辞めて毎日農業の勉強したい」
「引っ越さずに自宅から通いたい」
といった個々のライフスタイルに合った通学が可能です。
この記事では農業学校の種類と学費・年齢制限・学歴、メリット・デメリットなどを紹介していきます。
これらの情報をもとに自宅から通えるのか、会社を辞めるべきなのかなどの指標にしてもらえたら幸いです。
農業の学校に興味がある方はぜひ、最後までお読みください!
農業学校の種類と学費・年齢制限・学歴
「農業の学校って学費はどのくらいかかるの?」
「40歳を超えている私でも農業学校に入学できるかな?」
記事を読んでいる方は、こういった疑問やお悩みがあるのではないでしょうか。
ここからは各農業学校の説明や学費、年齢制限、学歴をお伝えしていきます。
農業学校は社会人を続けながら学んだり、会社を辞めて一念発起して学んだりすることも可能です。
あなたのライフスタイルに合った学校を見つけてくださいね。
農業大学校
学費 | 年齢制限 | 学歴 |
---|---|---|
約80万円〜約120万円(2年間) | 特になし | 専門士 |
農業大学校とは、農業を仕事にしたい方に向けた研修教育機関のこと。
全国各地に設置されていて、農産物栽培や農業経営のイロハを学ぶための学校です。
ほとんどが公立の学校ですが、一部私立の学校もあります。
農業大学校の授業料は年間12万円程度で、安く設定されているのが特徴。
しかし、寮費や農家留学研修などの費用がかかるため、約100万円の学費が必要です。
高卒認定資格を持っていて、各農業大学校が定めた試験に合格すれば入学できるので、年齢は関係ありません。
卒業した際の学歴は『専門士』となり、専門学校卒業と同様です。
専門学校
学費 | 年齢制限 | 学歴 |
---|---|---|
約120万円~約140万円(初年度) | 特になし | 専門士 |
農業の専門学校は私立がほとんどで、農業大学校に比べると、学費は高額。
しかしその分、最新の設備がそろっていたり、バイオ分野に強かったりと専門学校ならではの強みがあります。
年齢制限は特になく、高卒認定資格を持っていて各学校の試験に合格すれば入学可能。
卒業後の学歴は農業大学校と同じく、『専門士』の資格を得られますよ。
大学
学費 | 年齢制限 | 学歴 |
---|---|---|
141万8359円(初年度平均) | 特になし | 学士 |
大学では4年間、農業についてしっかり学びます。
農業大学校や専門学校と比べると、農家として働く人材よりも農業研究の人材を育てている印象。
卒業後は、食品関係や農業関連の企業、JAに就職する人が多いです。
高卒認定資格を持ち、試験に合格すれば入学できるため、年齢は気にしなくても大丈夫。
無事に卒業した場合の学歴は、学士(大卒資格)になります。
学費は専門学校よりも高いですが、大学ならではの人脈や設備があるので、卒業後の進路は安泰でしょう。
農業スクール
学費 | 年齢制限 | 学歴 |
---|---|---|
175,000円(東京キャリアファーム) | 特になし | 特になし |
「社会人として働きながら農業の勉強がしたい」という願望を叶えられるのが農業スクール。
週末に開講していたり、オンライン開講していたりと社会人のニーズに応えた日程や授業方法をとっています。
専門学校や大学などに比べ、学費は安くなりますがその分、授業時間は少ないです。
また、卒業しても、通信講座やカルチャースクールと同じで、学歴は得られません。
ただ、豊富な授業が受けられる高額コースも用意されているので、多種多様なカリキュラム(教育内容)が選べます。
農業スクールは年齢も学歴も制限がないため、いつでも誰でもチャレンジ可能。
試験があるスクールもあれば、試験がないスクールもあるので、事前に各学校のサイトをご覧ください。
農業学校の学習内容
農業学校ではどんな授業が行われるのか、日本有数の農業地域として知られる長野県で、100年以上の歴史を持つ長野県農業大学校を例にご紹介。
長野県農業大学校は、総合農学科or実科・研究科と6種類の専攻コースがあります。
講義内容や取得できる資格などを一部抜粋して、表にまとめました。
学科 | コース | 講義内容(座学) | 実習 | 取得可能な資格 |
---|---|---|---|---|
総合農学科 | 実践経営者コース | 起業・チャレンジ論、農業経営会計・ファイナンスなど | 作物栽培論実習、農業経営体験実習など | フォークリフト運転技能資格、車両系建設機械運転技能資格など |
農業経営コース | 農業政策、農業経営学など | 農家体験実習 | 毒物劇物取扱者、高所作業車など | |
実科・研究科 | 果樹実科・研究科 | 園芸汎論、果樹栽培総論など | 試験場施設を利用しての実習 | 大型特殊免許(農耕車に限る) |
野菜花き実科・研究科 | 野菜園芸学、花き園芸学など | 試験場施設を利用しての実習 | 大型特殊免許(農耕車に限る) | |
畜産実科・研究科 | 畜産経営経済論、家畜各論など | 試験場施設を利用しての実習 | 家畜人工授精師 | |
南信農業実科・研究科 | 樹園芸学、土壌肥料学など | 試験場施設を利用しての実習 | 大型特殊免許(農耕車に限る) |
上記の表を見ると、座学と実習を行うので、農業に必要な知識と実践的な感覚が身に付きます。
学校を卒業したあとすぐ、農業の仕事に就けるように、座学も実践もバランスのいい授業内容になっているわけです。
農業学校のメリット・デメリット
「農業学校に入ったらどんなメリットがあるんだろう?」
と考える方もいるでしょう。
ここからは、農業学校のメリットとデメリットについてお伝えしていきます。
農業学校に入学するか迷っていたら、1つの指標にしてみてください。
メリット
農業学校に入学することで得られるメリットは3つ!
- 農業のノウハウが培われる
- 人とのつながりができる
- 実践的な農業経験が積める
本や動画だけではわかりにくい、土壌肥料学から経営方法まで、農業に関するノウハウが得られます。
農業学校であれば先生や、一緒に学ぶ生徒とのつながりができて、情報の共有がしやすくなるのも魅力です。
そして、大規模な実習施設にて農業機械を運転したり、農薬を撒いたりと実践的な作業が学習可能。
3つのメリットがあるので、農業を仕事にしたときの不安がなくなるでしょう。
デメリット
農業学校に入学するメリットをお伝えしましたが、もちろんデメリットもあります。
農業学校に入学するうえでのデメリットは3つです。
- 学費が高い
- 自由な時間が減る
- 寮生活の可能性がある
農業学校の学費はどのスクールに通うにしても、20万円以上は必要。
「農業の学校ってそんなに学費が必要なのかあ……。」と嘆いてしまうくらい、お金がかかるのです。
農業で生計を立てるには学校で勉強をして、知識を定着させないといけません。
プライベートな時間を使い、予習・復習をしなければならないので根気が必要。
そうするとお金だけではなく、自由な時間もなくなってしまうのです。
また、農業学校では通学可能な場合もありますが、一部の学校では寮生活が必須。
集団生活を通して、農業に必要なコミュニケーション能力を養う目的があるのです。
そのため、寮生活や他者とのコミュニケーションが苦手な方は辛いかもしれません。
メリットとデメリットを考慮したうえで、自分に合った農業学校をお考えくださいね。
地域別の農業学校
農業の学校は日本全国に開校されていて、自宅から近い学校や農業を始めたい地域の学校を選ぶことが可能。
農業が学べる専門学校や大学は一部の地域に限られるものの、農業大学校であれば、各都道府県に設置されています。
農業大学校は地域によって農作物の栽培以外に酪農や水産も学べるので、事前に育てたい農産物を決めておくといいかもしれません。
どの都道府県に農業学校が設置されているのか、地域別にまとめてみましたので、見ていきましょう!
北海道・東北
地域 | 学校名 |
---|---|
北海道 | 北海道立農業大学校 酪農学園大学 |
青森県 | 青森県営農大学校 |
秋田県 | 秋田県立大学 |
岩手県 | 岩手県立農業大学校 |
宮城県 | 宮城県農業大学校 仙台農業テック&カフェ・パティシエ専門学校 |
山形県 | 山形県立農林大学校 |
福島県 | 福島県農業総合センター農業短期大学校 |
広大な土地と自然豊かな風景が印象深い北海道・東北エリア。
秋田県以外の各道県に農業大学校がある一方、大学や専門学校は少ないのが特徴です。
関東
地域 | 学校名 |
---|---|
栃木県 | 栃木県農業大学校 アジア農村指導者養成専門学校 |
茨城県 | 茨城県立農業大学校 日本農業実践学園 |
群馬県 | 群馬県立農林大学校 高崎健康福祉大学 |
埼玉県 | 埼玉県農業大学校 テクノ・ホルティ園芸専門学校 |
千葉県 | 千葉県立農業大学校 チバニアン兼業農学校 |
東京都 | 日本農業経営大学校 東京農業大学 |
神奈川県 | 神奈川県立かながわ農業アカデミー |
首都の東京をはじめ、神奈川や千葉、埼玉など人口がとても多い地域。
各都県に農業大学校があり、専門学校や大学も豊富に設置されています。
北陸・甲信越
地域 | 学校名 |
---|---|
新潟県 | 新潟県農業大学校 新潟農業・バイオ専門学校 |
富山県 | とやま農業未来カレッジ |
石川県 | いしかわ耕稼塾 |
福井県 | ふくい園芸カレッジ |
山梨県 | 専門学校山梨県立農林大学校 |
長野県 | 長野県農業大学校 八ヶ岳中央農業実践大学校 |
豪雪地帯として有名な北陸・甲信越地方。
特に新潟や長野といった米や果物が有名な地域に、複数の農業学校が設置されています。
東海
地域 | 学校名 |
---|---|
静岡県 | 静岡県立農林環境専門職大学 オイスカ開発教育専門学校 |
岐阜県 | 岐阜県農業大学校 岐阜県立国際園芸アカデミー |
愛知県 | 愛知県立農業大学校 名古屋農業園芸・食テクノロジー専門学校 |
三重県 | 三重県農業大学校 |
東海地方といえば、工業地帯のイメージがありますが、農業にもしっかり注力しているのです。
三重県をのぞいた3県では、複数の学校で農業が学べます。
関西
地域 | 学校名 |
---|---|
滋賀県 | 滋賀県立農業大学校 タキイ研究農場付属園芸専門学校 |
京都府 | 京都府立農業大学校 京都先端科学大学 |
大阪府 | 大阪府立環境農林水産総合研究所農業大学校 愛甲農業科学専門学校 |
奈良県 | なら食と農の魅力創造国際大学校 |
和歌山県 | 和歌山県農林大学校 |
兵庫県 | 兵庫県立農業大学校 農(みのり)の学校 |
関東と並び、人口が多いエリアの関西。
農業に特化した学校のほかにも、林業や水産も学べる学校が存在しています。
関西エリアの特徴はいろんな選択肢があることなので、あなたの希望に沿った学校が選べるでしょう。
中国・四国
地域 | 学校名 |
---|---|
鳥取県 | 鳥取県立農業大学校 |
島根県 | 島根県立農林大学校 |
岡山県 | 岡山県農林水産総合センター農業大学校 中国四国酪農大学校 |
広島県 | 広島県立農業技術大学校 県立広島大学 |
山口県 | 山口県立農業大学校 |
香川県 | 香川県立農業大学校 |
徳島 | 徳島県立農林水産総合技術支援センター農業大学校 |
高知県 | 高知県立農業大学校 高知県立農業担い手育成センター |
愛媛県 | 愛媛県立農業大学校 |
野菜や果物の生産、カキやしじみなどの水産が盛んな中国・四国地方。
農業以外にも水産、酪農が学べ、各県の特産を押さえた農業スキルが身に付けられます。
九州・沖縄
地域 | 学校名 |
---|---|
福岡県 | 福岡県農業大学校 福岡キャリナリー農業・食テクノロジー専門学校 |
佐賀県 | 佐賀県農業大学校 |
長崎県 | 長崎県立農業大学校 |
大分県 | 大分県立農業大学校 |
熊本県 | 熊本県立農業大学校 |
宮崎県 | 宮崎県立農業大学校 南九州大学 |
鹿児島県 | 鹿児島県立農業大学校 たからべ森の学校 |
沖縄県 | 沖縄県立農業大学校 |
農業大学校が各県に設置されている地域。
温暖な気候が多いエリアなので、日本では珍しい農産物が育てられます。
週末だけでもOK?オンラインで受けられる農業学校
農業大学校や専門学校、大学はほぼ毎日朝から夕方まで授業があります。
そのため、会社で働きながら農業学校に通うことは難しいでしょう。
「会社を辞めてまで、学校に入る勇気はないかな……。」
という方もいると思います。
社会人であれば、土日開講やオンライン受講できる学校を希望したいですよね。
そこで、お仕事を続けながらでも学べるオススメの農業学校を3校をご紹介。
3校ともサラリーマン向けに講義を行っている学校なので、社会人でも安心して通えますよ。
これらの学校は週末に実習や講義を実施。
少ない講義時間で農業に必要な内容だけを詰め込んでくれるため、農家として重要なスキルが得られます。
さらにオンライン講義が用意されていて、週末に時間が取れない方でも、授業についていくことが可能です。
そして、3校は講義内容が多種多様。
夏野菜に特化したコースや、農業の基礎から農業経営まで学べるコースなど、さまざまなカリキュラムが用意されています。
会社を辞めずに農業が学べる環境を求めている方は、これらの学校もご検討くださいね。
学歴が気になる場合は高校で学び直すのもオススメ!
「社会人をやっているけど、実は高校を卒業していないんだよね。」
「中卒だから思い切って会社を辞めて、高校に入り直そうかな。」
という方は、農業高校に入学する方法もあります。
農業の専門的な知識を得ながら、高校の卒業資格も得られるため、目的を持った社会人にピッタリですよ。
農業高校は15歳から18歳までの生徒たちがほとんど!
歳が離れた生徒たちと一緒に学生生活を送るのは、もしかしたら抵抗があるかもしれません。
ただ、10代の生徒たちと一緒に切磋琢磨しながら、一生のつながりが持てるのはなかなかないです。
若い子たちの意見や視点などが得られるので、既成概念にとらわれない思考が身に付きます。
今までにない形の農業を行いたい方にとっては、うってつけの環境ではないでしょうか。
高校を卒業している方でも高校に再入学可能なので、チャレンジしてみるのもアリですよ。
学校以外で農業を学ぶ方法
「学校もいいけど、今はお金がなくて……。他に農業を学ぶ方法はないかな?」
たしかに、農業の学校に入学すると、入学金もあわせて最低20万円はかかりますよね。
ここからお伝えする情報は少ないお金でもOK。
学校以外で農業のスキルが習得できる方法を、2つお伝えしていきます。
- 地方自治体やJAが行っている研修に参加
- 農家の下で働きながら農業を学ぶ
地方自治体やJAが行っている研修に参加すれば、農業に関する基本的なスキルを習得可能。
さらに、地域の農家さんから指導を受けられ、農家の喜びや苦労といった生の声が聞けますよ。
研修は一般的に、基礎研修と実践研修の2種類。
基礎研修では農業に欠かせない基本知識と技術を学び、実践研修では農産物の栽培方法、農業経営のイロハが学べます。
研修を受けている地域の主力農産物の栽培方法に特化しているため、希望の農作物が決まっている方にうってつけです。
研修料は安ければ2000円でOK!(神奈川県:新規就農者育成研修(農業体験コース・農福連携コース)令和3年度)
お金がそんなになくても学べるので、興味がある方はぜひご利用ください。
そして農家の下で働くのも、オススメです。
農家のお手伝いをしてみると、農業を仕事にしたときのメリット・デメリットを肌で感じられます。
さらに、農産物を育てるうえで大切なノウハウを直接教えてもらえるのも魅力です。
農業のスキルを習得できて、お金も稼げるなんて一石二鳥ではないでしょうか!
ほかにも、農家の下で働く方法としては、農業バイトがあります。
人手が足りていない農場は多く、各都道府県で農業バイトを募集中です。
農業経験がなくてもできる簡単な仕事ばかりなので、気軽に始められますよ。
「農家さんのお手伝いをしながら農業の勉強をするのもアリかも!」
と思ったときはぜひ、検討してみてくださいね。
農業学校に通う前に『ジモベジワークス』で農作業体験!
農業の学校は幅広く、全国各地に設置されているため、あなたの希望に沿った学校を選ぶことが可能。
社会人として働きながら学べたり、会社を辞めてガッツリ勉強できたり、農業学校は多岐にわたります。
「学校に興味はあるけど、少し考えてから入学を決めようかな」
という方は『ジモベジワークス』で農業バイトを始めてみませんか?
当サイト『ジモベジワークス』は、人手不足を解消したい農家さんと農業バイトがしたい方をマッチングするサービス。
農家さんのお手伝いをするから、学校に入学する前の農業体験にピッタリです。
1日単位で募集しているため、お仕事は単発でも、短時間でもOK。
好きなときに働けるので、土日や長期休みだけ働くこともできます。
ライフスタイルに合わせたシフトで働けるため、社会人でも問題ありません!
農業学校に通う前や通っている最中に、『ジモベジワークス』で農業の実践経験を積んでください。