農業のお仕事といえば、田畑で農作物を育てて販売するイメージ。
ただ、ひと口に農業といっても、さまざまな業種に分類されます。
実は、業種ごとに作業内容や年間の動きが違い、やりがいや魅力も変わるんです。
業種によっては、植物だけでなく、動物や人間を相手にするお仕事もありますよ。
この記事では、農業の代表的な業種を一覧でご紹介!
それぞれの生産物や作業例、向いている人などをまとめました。
業種ごとの特徴や違いを理解することで、ピッタリのお仕事が見えてくるはず。
あなたの性格や希望をふまえつつ、向いている農業の業種を探してみてくださいね。
代表的な農業の業種一覧!生産物や作業例、向いている人をご紹介
稲作
「稲作」とは、水田で稲を栽培し、米を収穫して出荷する農業の業種。
主な生産物はもちろんお米で、日本各地で300以上の品種がつくられています。
田植えや稲刈りだけでなく、苗づくりや田おこしなど、さまざまな作業が必要。
さらに、季節や天候の変化にあわせた、細やかな水田・稲穂管理が欠かせません。
また最近では、無農薬・減農薬農法など、栽培方法にこだわる稲作農家も増えています。
稲作は、日本人の主食であるお米を生産する、なくてはならない業種。
美味しいお米を作るためには、日々の細かな作業の積み重ねが重要です。
歴史ある稲作に誇りをもち、計画的に作業をこなせる人に向いているでしょう。
畑作
畑地で穀物や豆類、イモ類を栽培する農業の業種を、「畑作」と呼びます。
畑作の代表的な生産物は、麦や雑穀、大豆やジャガイモ、サツマイモなど。
パンや麺、醤油、味噌など、食卓に欠かせない食物に加工される作物が多いです。
種まきや栽培、収穫はもちろんですが、畑作でもっとも重要な作業は土づくり。
土の良し悪しが作物の成長に直接影響するため、土壌の整備がカギをにぎります。
また畑作は、同じ土地で違う作物を順番に育てる「輪作」が行われるのが特徴的。
同じ土地で同じ作物を栽培し続けると、病気や発育不良になりやすいんです。
輪作で違う作物を順番に育てることで、土壌のバランスを整えているんですね。
野外の広大な大地で作物を育てる畑作は、スケールの大きさが魅力。
一方で、土の状態を見極める観察眼や繊細さが求められる業種ですよ。
露地栽培
「露地栽培」とは、野外で野菜を育てる農業の業種。
ハウスやトンネルなどの施設を利用せず、自然に近い状態で作物を栽培します。
代表的な生産物は、キャベツや白菜、レタス、大根、トマト、キュウリなど。
季節や地域にあわせて作物を栽培し、年間を通して複数の品種を育てる農家も多いです。
露地栽培では、作物を種から育てて間引きや追肥を行い、収穫・出荷を行います。
自然と触れ合いながら農作業ができて、初期投資の費用をおさえられるのが魅力です。
ただ、天気や気候の影響を受けやすいので、臨機応変な対応が必要不可欠。
自然とうまく付き合いながら、作物と真摯に向き合える人には最適な業種です。
施設栽培
「施設栽培」は、その名の通り、施設内で作物を栽培する農業の業種。
ビニールハウスやガラス温室などの施設を利用して、野菜や果物を育てます。
施設栽培で人気の生産物は、トマトやナス、小松菜、ネギ、ニラ、イチゴ、スイカなど。
作業内容としては、土づくりや作物の栽培、収穫・出荷に加えて、施設の管理を行います。
施設の管理では、天気や作物の状態にあわせて、温度や光量、風通しなどを調整。
手作業が一般的ですが、最近は自動・遠隔で管理できる環境制御装置も生まれています。
施設栽培の魅力は、季節や天候、病害虫の影響を受けにくく安定的に作物を栽培できること。
また、旬の時期に関係なく作物を育てられるぶん、付加価値を高めて高収入を得やすいです。
ただ導入や維持にコストがかかるため、ある程度の費用や資金計画が必要になります。
資金力とコストをきちんと考慮して、費用を準備したうえで挑戦するのがベターです。
果樹
「果樹」とは、露地栽培や施設栽培、観光果樹園などで、果物を栽培する業種です。
生産されているのは、ミカンやリンゴ、モモ、ブドウ、ナシ、サクランボなど。
地域や気候にあわせて、全国各地でさまざまな果物が栽培されているんですよ。
果樹で特徴的なのは、受粉や摘花・摘果、袋掛けなどの作業があること。
開花時に人工的に受粉を行い、余分な花や実を取り除き、果実に袋をかぶせるんです。
美味しくてキレイな果物にするために、一つひとつ手作業で丁寧に行われます。
細かくて地道な作業に、コツコツと忍耐強く取り組める人には向いているでしょう。
花き
切り花や鉢物、球根など、鑑賞用の美しい植物を栽培する「花き」。
栽培した植物は、家庭だけでなく、店舗やオフィス、冠婚葬祭などで用いられます。
キクやバラなどの切り花、ランやシクラメンなどの鉢物、ツバキやサツキなどの花木、チューリップやユリなどの球根、芝や地被植物など、多種多様な生産物があるのが特徴。
主な作業内容としては、植え付けや水やり、収穫、出荷などがあげられます。
また、嗜好品である花きは、見た目の美しさや品質が非常に重要です。
キズや汚れがあると価格が下がるため、繊細で丁寧に作業をできる人が◎。
さらに品種改良が盛んなので、研究心の強い人にも向いているといえますよ。
酪農
「酪農」とは、乳用の家畜を飼育し、搾乳したミルクを加工製造・販売する業種。
日本では牛が主流で、牛乳やチーズ、バター、ヨーグルトなどの生産物が多いです。
酪農は、家畜を中心とした作業やスケジュールを組まれているのが特徴。
1日のはじまりは朝5時~6時ごろからで、餌やりや牛舎の清掃、搾乳を行います。
その後、長めの休憩を挟んで、夕方から再度同じ作業を行い、終了するのは夜8時ごろ。
また、家畜を放牧する敷地や、餌となる牧草を管理するのも酪農のお仕事です。
動物や動物のお世話が好きな方であれば、酪農のお仕事で活躍できるでしょう。
肉牛
「肉牛」とはそもそも、食肉用として飼育されている牛のこと。
食肉を得るために、乳用以外の牛を飼育することを「畜産」と呼びます。
肉牛で生産されているのは、もちろん牛肉です。
代表的なのは黒毛和牛ですが、その他にもさまざまな品種がありますよ。
肉牛農家の経営方法は、「繁殖経営」と「飼育経営」の2種類に大別できます。
「繁殖経営」は、母牛に子牛を産ませ、生後6〜12か月育成して販売する方法です。
一方の「飼育経営」は、競りに出された子牛を購入して育て、牛肉として販売する方法。
子牛が成長して牛肉として出荷できるまでに、約30か月もかかるため分業しているんです。
肉牛は分業されているうえに、酪農と違って搾乳がないため、労働時間が安定しています。
動物が好きで、牛の些細な変化に気づける方でしたら、肉牛は適任のお仕事ですよ。
養豚
「養豚」は、食肉用の豚を飼育したり、繁殖用の種豚(しゅとん)を生産したりする業種。
肉牛と同様、内容に応じて「繁殖豚経営」「種豚経営」「肥育豚経営」の3つにわけられます。
ただ現在は、繁殖から肥育、出荷までを一貫して行っている養豚農家が7割近く。
それぞれの業務にあわせて、豚を育てる豚舎をわけている農家さんがほとんどですよ。
養豚の業務内容は、豚の種付けや分娩、子豚の育成や肥育、豚舎の清掃などが中心です。
向いている方の第一条件は、愛情をもって豚を育てられる人。
また、豚はキレイ好きでデリケートなため、衛生管理の意識が高い方も適任です。
養鶏
「養鶏」は、食用の鶏卵や鶏肉を得るために、鶏(にわとり)を飼育する業種です。
採卵用養鶏では、美味しい卵を産めるように鶏や鶏舎を管理し、卵を回収・出荷します。
食肉用養鶏は、鶏を卵やひなから育て、平均60日前後で食肉として出荷するお仕事です。
養鶏は、農場の規模や鶏の育て方によって、働き方が大きく異なります。
数万~数十万羽の鶏を鳥かごで飼育する大規模農場では、作業のほとんどを機械化。
機械の調整や、データをもとにした生産計画の作成など、細かな作業が求められます。
一方の小規模農場では、少数の鶏を平飼いや放し飼いで飼育して、ブランド鶏を育成。
日々たくさんの鶏を相手にするため、鶏や汚れ、匂いに苦手意識のある人は避けましょう。
競走馬
競馬のレースに勝つ馬を育てる「競走馬」は、農業における畜産の一種です。
馬を交配して繁殖する「繁殖生産牧場」と、競走馬を育てる「育成牧場」があります。
競走馬の仕事は、馬が健康にたくましく育つように、餌や運動量、馬房を管理すること。
また、人を乗せて走るためのトレーニングや、レースで勝つための訓練なども行います。
ちなみに、競馬に出馬せず、乗馬用に育てられる馬は「乗用馬」。
乗用馬は、素人でも安全に乗馬できるよう、従順に育てるのが特徴です。
求められる役割や育て方が競走馬と変わるため、仕事内容にも違いがありますよ。
観光農業
農園に来たお客様に、農作業の体験や植物の鑑賞を楽しんでもらう「観光農業」。
代表的なサービスは、リンゴ狩りやイチゴ狩りなどの収穫体験です。
他にも、加工品作りや農産物の直売所、農園直営レストランなどは、観光農業に含まれます。
観光農業のお仕事は、接客や受付、予約管理などのお客様対応があるのが特徴。
体験イベントの企画・運営や農園の整備など、他の業種とは違った業務が多いですよ。
観光農業は接客が必要なため、人と話したり触れ合ったりするのが好きな方に最適。
「農業の魅力を伝えたい」「沢山の人に楽しんでもらいたい」
こんな思いをもっている方でしたら、観光農業で活躍できるでしょう。
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農業の代表的な業種をご紹介しましたが、いかがでしたか?
お伝えしたとおり、農業は業種によって生産物や作業内容、年間の流れが違います。
それぞれ違う特徴があるからこそ、やりがいや魅力、向いている人も変わるんです。
自分の希望に沿った業種を選ぶことで、より農業バイトを楽しめます。
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