「40代・未経験でも応募できる農業求人はある?」
「ゆくゆくは独立したいけど、まずは雇用就農で働きたい」

高齢化が進む農業において40代の人材は貴重な戦力です。意欲や体力のある人なら歓迎されることが多いでしょう。

しかし、脱サラや転職をして40代から農業を始めるにはどうしてもリスクがつきまといます

農業に転向したものの、理想と現実のギャップが大きくて離農する人も少なくありません。

そこでこの記事では、

  • 40代未経験でも挑戦できる農業求人の例
  • 脱サラ・転職前に知っておくべき農業に転向するリスク
  • 短期間で手軽に農業体験を積む方

を紹介します。

40代で農業への転向を検討している人は、最後まで読んでくださいね。

40代未経験でも新規就農は可能

農業を始める男性の写真
40代未経験可の農業求人は決して少なくありません。新規就農のチャンスは十分あると言えます。

農林水産省の「新規就農者調査(令和2年)」によると、新規雇用就農者の約7割が40代以下で、非農家出身の人が86%を占めています。

未経験かつ農家の家系でもない40代以下の人でも、農業に転向するのは珍しくないと言えるでしょう。

49歳以下の新規雇用就農者は1年で約16%増えているというデータもあり、農業を志す人は増加傾向と言えます。

参考:農林水産省 令和3年新規就農者調査結果

農林漁業分野は深刻な人手不足

農林水産省が5年おきに調査している「2020年農林業センサス」によると、組織で農業を取り組んでいる団体経営体の数は増加傾向です。

日本政策公庫の「雇用状況DI」でも、農業全体でマイナス値(雇用状況が不足と判断)を記録しており、深刻な労働力不足が続いています。

農業経営団体の規模拡大と人手不足の深刻化により、年齢や経験を問わず採用の間口は広くせざるを得ない状況です。

農業全体にとって人手不足は課題ですが、新たに農業を始めたい人にとっては、チャンスの幅が広がっているとも言えます。

IoTの活用も新規就農者増加の追い風に

IoT活用による農業への影響も、新規就農者の増加の追い風となっています。

IoTやロボットの導入により、「3K(きつい・きたない・きけん)」といった農業全体の悪いイメージを払拭する効果や、作業効率や生産性の向上といった効果が期待できるでしょう。

40代や50代の人でも、新しい技術や知見をもっていれば、たとえ農業の経験が乏しかったとしても、採用のチャンスが広がるはずです。

なお、基幹的農業従事者の約9割は50歳以上であり、法人数も増加傾向なので、求人数も今後増える見通しです。
詳しくはこちらの記事を参考にしてくださいね。

関連記事:50代未経験でもOKな農業求人はある?農家の現状と注意点も紹介

40代で脱サラして農家になるリスク

40代から農業を始めるには、転職や脱サラといった決断が必要なので、以下のようなリスクがある点を事前に把握しておきましょう。

  • 収入が不安定になる
  • 体力や技術が不足する
  • 地方移住が必要になる

以下、それぞれのリスクを詳しく解説していきます。

収入が不安定になる

農業の収入イメージ

雇用就農の場合、1経営体あたりの平均所得は433.5万円というデータがあります。

参考:営農類型別経営統計(組織経営)-農林水産省-

国税庁の民間給与実態統計調査によると、40代サラリーマンの平均所得480万前後なので、雇用就農だとおよそ50万円は年収が下がることになります。

家庭がある人はとくに、年収の変動に耐えられる貯金があるか、生活水準を下げることも視野にいれて検討しましょう。

体力や技術が不足する

農業でつらい女性のイメージ

農業を40代から始めるには、体力作りや技術習得に向けた努力が必要です。

とくにデスクワークを続けていた人にとって、最初は体力が続かない人も多いでしょう。

2019年に総務省が農林水産省に改善勧告した内容によると、新規就農者の離農率が高い理由の一つとして、農業機械の取り扱いや農業経営の研修を行っていない点が挙げられています。

「業務が合わなかった」「体力的にきつかった」という理由だけでなく、「技術や知識が不足していた」という理由で離農する人が多いのも現状です。

体力作りと並行して、技術や知識を学べる人や環境が整っているのかも確認しておきましょう。

地方移住による環境の変化

地方移住のイメージ画像

農業を始めるために、都心から地方に移住して環境が大きく変わる人も少なくありません。

新しく人間関係を築かなければならず、農家さんなどのコミュニティと関わる機会も増えていきます。

ほかにも、交通のアクセスや医療、教育の質が都心部に比べて劣る場合があるため、生活で不便なシーンが増えるかもしれません。

移住が必要な場合は、移住先の住環境やコミュニティを事前にチェックしておくことをおすすめします。

40代未経験可の農業求人の例

具体的に40代未経験でも応募できる農業の仕事として、

    • 野菜の収穫スタッフ
    • 酪農・牧場スタッフ
    • 農園運営スタッフ

といった求人が候補として挙げられます。

「どんな仕事内容かイメージがつかない」という人は、ぜひとも参考にしてみてください。

野菜の収穫スタッフ

野菜の収穫のイメージ

野菜の収穫スタッフの業務内容は、「作物の収穫」「収穫した作物の選定」「パック詰め」「出荷サポート」といった業務を行います。

求人によっては栽培・管理業務を任されることもあり、育てた作物が出荷されるまでをサポートするので、非常にやりがいのある仕事です。

ただし、パートやアルバイト、業務委託などで収穫時期のみ募集している求人が多いです。正規雇用を狙う人は、収穫以外の業務も担当するケースが多いでしょう。

酪農・牧場スタッフ

酪農農家のイメージ

酪農・牧場での仕事は、「搾乳」や「牛舎の清掃」「牛の餌やり」といった業務が多いです。

酪農農家の多くは牛乳や乳製品をつくっているので、ほとんどの人が搾乳に携わります。

ただし、酪農や牧場スタッフは仕事開始の時間が早いうえに、体力仕事が多いです。

動物好きな人や、いずれ酪農農家として独り立ちしたいと考えている人におすすめです。

農園の運営スタッフ

栽培サポートのイメージ

農園の運営スタッフは、「貸し農園の利用者対応」「区画チェック」「見学者への農園の説明や案内」など、運営にかかわる業務全般を担当します。

都市型の貸し農園は求人数が豊富で、交通アクセスもいいので移住や引っ越しが不要なのもメリット。

農園スタッフの中には「菜園アドバイザー」といって、貸し農園利用者に対して栽培サポートをメインに行う人もいます。

日々の業務で農業の知識や経験を磨きつつ、貸し農園の利用者の不安を除いてあげることで、充実感のある日々を過ごせるでしょう。

短期アルバイトで農業経験を積むのもおすすめ

農業未経験の人が、いきなり会社を辞めて農業求人に申し込むのはリスクが高いです。

とくに非正規雇用で就農する人は、収入や安定性を損なうため慎重な判断が求められます。

まずは貸し農園・シェア畑で農業体験したり、パートやアルバイトで働いてみたりするのがよいでしょう。

一度農業の体験をすることで、農業という仕事や業界への理解が深まり、後悔しない判断ができるようになるはずです。

農業の適性を知り、現場のリアルを知っておくことで、就農後のミスマッチを未然に防ぎましょう

最後に、40代未経験でも応募できる農業求人を探すなら、『ジモベジワークス』がおすすめ。

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