「都心から田舎に移住して、農業でゆっくりとセカンドライフを送りたい」
子どもも独り立ちして、仕事も徐々に落ち着き始める50代、新たに農業に挑戦する人も少なくありません。

そこでこの記事では、農業の求人に申し込む前に知っておきたい情報を紹介します。

具体的には、

    • 50代の農業未経験者でもOKな求人の例
    • 農業の現状と将来展望
    • 50代の人が農業を始める際に知っておきたい注意点

といった点を分かりやすく解説します。

未経験の50代でも応募可能な農業求人の例

未経験で50代の人でも応募可能な農業求人の例をいくつかご紹介します。

「農業の求人」にも農作業や農場管理など多岐にわたり、業務内容は幅広いので、具体的にやりたい内容が決まっていない人は参考にしてみてください。

耕種農業の農作業

農作業は「収穫」「作付け・管理」「出荷」「農地管理」など、一般的に農家と聞いてイメージされる仕事内容が多いです。

これらの仕事は「耕種農業」といって、お米や野菜、果物などの栽培をする農家さんが募集しています。

農作業のパート・アルバイト求人の場合、「人手が不足する収穫期だけ募集する」といったケースも多いです。

50代未経験であれば、正社員よりもパートやアルバイトの求人の方が採用されやすいですし、農業の経験や知識を身に着けるのにも役立ちます。

畜産農家の生産部門

畜産農家には酪農や養豚などの業種が含まれますが、生産部門には共通して「家畜の健康管理」「給餌」「糞尿処理」などの作業があります。

酪農であれば牧草生産や搾乳、養鶏場なら採卵や補鳥、パック詰めといった作業で求人が出されることも。

これらの作業は機械化が難しく、慢性的に人手が不足しているので、50代未経験者でも採用されやすいです。

農業資材の販売営業

農業資材の販売を行うのは営業職ですが、農業求人として見かけることが多いです。

具体的に、作物栽培に必要な種子・肥料・農薬・ハウス資材などの商品を取り扱います。

農協や農業法人、個人で経営されている地元農家さんに対して、取り扱っている商品の提案や販売を行い、ときには栽培フォローまで担当する場合も。

近年では、農業(アグリカルチャー)と事業(ビジネス)を掛け合わせた「アグリビジネス」という言葉があるように、農業に関する新たな事業やサービスが生まれています。

民間企業が農業に参入したり、農業ロボットを活用したスマート農業を始めたりと、農業資材の需要が高まるにつれて販売営業の求人数も増えていくでしょう。

50代の人が農業の求人に応募する際の注意点

50代から農業に挑戦すると、これまでの生活から大きく変化するはずです。

とくに未経験の人は、農業の仕事内容や辛い実情を把握できておらず、現実と理想のギャップに苦しむおそれもあるでしょう。

少しでもギャップを埋めるために、農業の実情を知って備えておくことが大切です。

移住が必要になることが多い

農業の求人のなかには、農地がある周辺地域に移住が必要になるケースがあります。

移住先の生活環境が合わない場合や、自治体によって受け入れ体制が整っていない場合など、移住に関する問題で就農を諦める人が多いです。

子育て環境が十分かどうか、移住者への支援制度はあるのかなど、事前に移住先を下調べする必要があるでしょう。

体力的な負担が大きい

農業の仕事は体力勝負です。

農家さんの平均年齢に比べれば50代は若い方ですが、一般的に50代は体力が衰えてくる世代でもあります。

毎日朝が早く、ほぼ1日中立ちっぱなしで作業をしている農家さんも少なくありません。

農業が未経験の人で、デスクワークなどの座り仕事をしていた人は要注意です。

体力に不安がある人は、まずは短期間の農業体験から始めることをおすすめします。

収入が落ちることが多い

平成30年の営農類型別経営統計によると、雇用就農の場合、1経営体当たりの平均所得は「433.5万円」となっています。

参考:営農類型別経営統計(組織経営)-農林水産省-

国税庁の民間給与実態統計調査によると、50代のサラリーマンの平均年収は550万円前後なので、平均して100万近く年収は下がると考えてよいでしょう。

パート・アルバイトで雇用される場合は、当然これよりも下がるため、経済的なプランの設計が必要です。

人付き合い・コミュニケーションも必要

農業は黙々と作業をするだけのイメージですが、実はほかの農家さんや農協の職員など、意外と多くの人付き合いが必要になります。

雇用就農でも同業者と良好な関係を築くことは大切なので、「煩わしい人付き合いから解放されたい」と考えて農業に転向する人は、ギャップを感じるかもしれません。

農業の現状

農業の世界に飛び込む前に、農業の現状と将来について正しく把握しておきましょう。
農業に従事している人の年代や人口の推移を見ていくことで、今後の未来予測にも役立ちます。

農業就業人口の減少

 基幹的農業従事者の人口推移平均年齢
2015年175.7万人67.1歳
2022年122.6万人68.4歳
2023年116.4万人(概数値)-

参考:農業労働力に関する統計

基幹的農業従事者は2015年から約60万人ほど減少しており、今後も減少していくでしょう。

この背景として、「基幹的農業従事者の高齢化」「新規就農者の減少」が問題視されています。

新規就農のハードルが高く、農業を始めても儲からないので、若者が農業から離れていっても無理はありません。

約9割の基幹的農業従事者が50歳以上

2020年の「農林業センサス」 によると、全国の基幹的農業従事者約136万人のうち、15~49歳は約147,000人とわずか10%程度です。

参考:農林水産省:個人経営体の基幹的農業従事者の推移

49歳以下の新規就農者の割合も約38%から約24%に下がっているため、農業を始める若者自体が減っていることが分かります。

ただし、新規雇用就農者の数は7.7万人から11.6万人に増えているため、農業法人等に雇用されて就農する人は増加傾向のようです。

農業を組織的に行う法人経営体は増加傾向なので、50代以上の農業求人数も今後増えていくことが予想されます。

未経験から農家に転向した人の体験談

山梨県で有機栽培農家をされている中嶋さん(44歳)の例をご紹介します。

中嶋さんは31歳のころに独立を決意し、「水がきれい」という理由から、山梨県の白州町で農業を始めました。

農家に転向して1年目は、1日19時間365日働いていたそうです。
なんと農業を始める際は、ホームセンターでクワを1本買い、畑を耕すところから始めたとか。

大変な日々を送りながらも、地域の人の協力もあり、農業を始めて6年で年商は1600万円まで成長、今も順調に農地を広げています。

やりたいと思ってから行動するまでのスピード感と、地域の人とコミュニケーションをとって農業の知識を吸収する姿勢が、中嶋さんの成功の要因だと感じました。

参考:YouTube

まずは農業体験から始めるのもおすすめ

農業に興味があるけれど、どんな作業なのかよくわからない人は、農業体験から始めることをおすすめします。

農業インターンシップや就農準備校など、農業を体験する機会はいくつも用意されています。

また、シェア畑といって、近くの貸し農園を探して小規模から農業を始めることも可能です。

もし「50代で応募できる農業求人を探したい」「短期間だけ農作業の仕事をやりたい」という場合は当社が手掛ける、ジモベジワークスがおすすめです。

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