「新規就農を考えているけど、農業の経験が少ないんだよなぁ」
「身近に農家さんがいないから、就農のイメージがつかないよ…」
もしあなたがこんな状況なら、就農体験談を積極的にリサーチするのがベスト。
就農体験談からは、感想や働き方、生活スタイルなど、就農のリアルな姿がわかります。
新規就農のイメージが膨らみやすいですし、理想と現実のギャップを事前に把握できて◎。
体験談を調べておくことで、就農してから「合わなかった」「失敗した」と後悔するリスクを減らせますよ。
この記事では、実際に新規就農した方の体験談をご紹介!
また、農業の業種ごとの特徴や作業内容もあわせてお伝えします。
就農するか悩まれている方は、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
農業はつらい?楽しい?就農者の体験談3選
さまざまな業種があり、それぞれ仕事や生活スタイルが異なる農業。
実際に就農した、先輩農家たち3名の体験談をご紹介します。
体験談①:地域貢献がやりがい IT業界からの就農
- 前職:システムエンジニア
- 性別:女性
- 就農した年齢:36歳
- 業種:果樹
就農のきっかけ
もともとはシステムエンジニアとして、IT業界で働いていました。
SEの仕事にやりがいや楽しさを感じていたのですが、30歳を過ぎたくらいから新しいことにチャレンジしたい気持ちが強くなったのがきっかけです。
結局、36歳の時に会社を退職し、思い切って憧れのあった果樹農家に就農しました。
就農して苦労したこと
まず感じたことは、人手の少なさ。
果樹農家は果物を栽培するだけでなく、農園の管理や収穫後の箱詰め作業などたくさんの仕事があるのですが、作業を行っているのはたったの3人。
しかも全員ご高齢の方たちばかりだったんです。
話には聞いていましたが、実際に農家で働いてみて人手不足の現状を身をもって感じました。
あとは朝が早いところ。
5時前には起きる生活になります。
冬なんかは5時だとまだ外は真っ暗ですし、とっても寒いです。
早起きの生活スタイルは、いまだにつらいと感じる日もあります。
就農してよかったこと
地域の一員として貢献できたときは、農家になってよかったと思いました。
私の場合は、地域のマルシェで育てたミカンを販売したり、ミカンを使ったジャムの作り方を教えたりしているのですが、お客様と話ができて、喜んでくれる顔が見えるので励みになります。
また地域で採れた作物を販売することで、地域に貢献できていると感じられるのも嬉しいです。
体験談②:きっかけは農業研修 ゼロからの露地栽培就農
- 前職:公務員
- 性別:男性
- 就農した年齢:41歳
- 業種:畑作
就農のきっかけ
市役所で土木や農政の業務に従事する中で、農家に転身し、自分の畑をもちたいと思うように。
またちょうど就農を考えていた時期に、市役所の仕事で農業研修に参加する機会をいただきました。
実際に農家さんと一緒に作業をするうちに、本気で農業をしようと決心。
畑作農家としてキャリアをスタートしました。
就農して苦労したこと
私の場合、すぐに独立して農場をはじめたので、作業場がないのに苦労しました。
最初のうちはビーチパラソルで日差しを防いでいましたが、風で飛んでしまいますし、もちろんクーラーなんかなかったので、夏は毎日汗だく…。
現在は農場に隣接する耐風性ハウスで作業していますが、この作業小屋を建てたのは就農して6年目になってからです。
就農してよかったこと
一番は自分の作ったジャガイモが、スーパーで売られているのを見たときです。
人生をかけて大切に育てたジャガイモが、これからたくさんの家庭の食卓にのぼるんだと思うと、今までにない喜びを感じましたし、心の底から農家になってよかったと思いました。
もうひとつは、たくさんの農家さんに助けていただきながら野菜を栽培できたことです。
たとえば先ほど話した作業小屋ですが、最初の3年間は農業研修でお世話になった農家さんの作業場を間借りしていました。
「大変な時はお互い様だから」と、駆け出しの私に農家さんが快く作業場を貸してくれたんです。
農業はひとりじゃできないと感じたとともに、人と人のつながりを身をもって経験できて、人間として大きく成長できたのも農家になったおかげだと思います。
体験談③:「稼げそう」で気軽に就農 しかし3年後には…
- 前職:飲食店
- 性別:男性
- 就農した年齢:25歳
- 業種:露地栽培
就農のきっかけ
何か起業したいと思っていたときに、田舎に移住して農業をするプロジェクトがあると知り、応募したのがきっかけです。
都会育ちだったので田舎暮らしをしてみたかったですし、とにかく早く起業して稼ぎたい一心で就農しました。
就農して苦労したこと
お金のやりくりにとても苦労しました。
僕は移住時に貯金がほとんどなかったので、完全に補助金頼み。
補助金は月々17万円と、設備を整えるためにもらえる初期費用140万円ほどです。
最初はこれだけあれば生活に苦労はしないと思っていたのですが、農具や作業小屋の設備、さらに農薬なんか合わせると、あっという間に補助金は底をついてしまいました。
農業の収入が入ってくるまで最低でも3か月はかかりますし、そもそも販路が少ないので売り上げが立たず、結局アルバイトを掛け持ちをして何とか野菜を栽培する状態…。
あらかじめ利益を出して生活できる仕組みを考えてから、就農すべきだと痛感しましたね。
結局利益が安定しないまま、生活の限界をむかえ、約3年で農業をやめました。
就農してよかったこと
農家になってよかったことは、外で仕事ができるところです。
農業をはじめる前は飲食店で働いていたので、昼夜が逆転しやすく、かなり生活が不規則でした。
その点農業は、毎朝太陽が昇る時間に起きて、日中は働き、日が暮れたら眠る生活。
太陽の光や風を感じながら、自然の中で人間らしい生活を送れるのは、就農したからこそわかった農業のよさだと思います。
育てたいのは野菜?家畜?農業の業種を確認しよう
先輩農家の就農体験談をご紹介しましたが、いかがでしたか?
就農のきっかけはもちろん、苦労したこと・よかったことも人それぞれ。
もちろん、経歴や就農方法、就農する業種によっても体験談は違います。
いずれにせよ、就農する前に自分でしっかり下調べをしておくのが重要。
体験談だけでなく、農業の業種や特徴についても知っておくと安心ですよ。
- 農家になって何をしたいのか
- どんな作業があるのか
これからご紹介する農業の業種を参考にしながら、考えてみてくださいね。
畑作
畑で穀物や豆類、イモ類を栽培する畑作。
広大な土地での農作業が、主な仕事です。
畑作の作業は季節ごとに変わり、土づくりから栽培した作物の収穫まで多岐にわたります。
自然の影響を受けやすく栽培が難しい面もありますが、その分収穫できた時の喜びはひとしお。
都会のオフィスでは味わえないスケール感で仕事ができるのも魅力です。
畑作について詳しく知りたい方は、『畑作とは?』のページをご覧ください。
稲作
米作りに必要な、稲を栽培する稲作。
稲作農家は苗作りから田植え、稲刈りまで一貫して行います。
現在は機械化が進み、田植え機やコンバインでの作業が中心なので、女性でも働きやすいのが◎。
稲作農家になれば、日本人の食卓を支える誇り高い仕事に従事できますよ。
稲作について詳しく知りたい方は、『稲作とは?』のページをご覧ください。
露地栽培
ハウスや温室などの施設を利用せず、野外で野菜を育てる露地栽培。
露地栽培は独立しやすく、他の業種に比べて初期費用をおさえられるのが特徴です。
また露地栽培では、気候や季節に合わせた野菜作りを楽しめます。
土づくりから種まき、栽培に収穫と、1年中野外で作業を行いますよ。
露地栽培について詳しく知りたい方は、『露地栽培とは?』のページをご覧ください。
施設栽培
ハウスや温室などの施設を利用して、野菜や果物を育てる施設栽培。
露地栽培同様に野菜や果物を生産しますが、ハウス内なので気候や季節の影響を受けにくいです。
またこぢんまりとしたハウスで栽培を行う農家も多く、女性が働きやすい環境なのも魅力。
施設栽培について詳しく知りたい方は、『施設栽培とは?』のページをご覧ください。
果樹
果物を栽培する果樹農家。
主に山間部で、その土地に合った果物を栽培する仕事です。
実や枝にまんべんなく養分を行きわたらせるための剪定(せんてい)や、結実に必要な受粉など、果樹ならではの丁寧さや繊細さを求められる作業があります。
また収穫した作物をジャムなどの加工品にして販売まで行う農家も多く、PRやマーケティングといった農業以外のスキルも活かせる業種です。
果樹について詳しく知りたい方は、『果樹とはどんな仕事?』のページをご覧ください。
花き(かき)
切り花や盆栽といった、鑑賞用植物を栽培する花き。
基本的にはハウス内で作業を行い、土づくりや水やり、出荷までを行うのが仕事です。
農業の中でもとくに品種改良が盛んな業種で、自分の理想の植物を形にしやすい環境があることから、近年若い世代の転職者に人気。
力仕事も少ないので、体力に不安のある方でも安心して働けます。
花きについて詳しく知りたい方は、『花き農家とは?』のページをご覧ください。
畜産
食肉用の動物を飼育する、畜産農家。
畜産は酪農・肉牛・養豚・養鶏などに細分化されます。
いずれも動物を相手にする仕事なので、365日休まず世話をしなければいけません。
畜産農家は、動物が好きでないと務まらない仕事ですよ。
ただ農業の中ではとくに稼げる業種で、年収が1000万円を超える農家もあります。
就農した農家に跡継ぎとして迎え入れられるケースも多く、現在人気が高まっている業種です。
就農に興味のある方へ
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
この記事では、就農者の体験談と農業の種類についてご紹介しました。
ここまでお読みになった方のなかには
「すぐに就農するのはハードルが高いなぁ」
「自分がどの業種に向いているのかわからない…」
「もっと農業を勉強してから就農したい」
こんな風にお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
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またジモベジワークスでは、
- 稲作
- 畑作
- 露地栽培
- 施設栽培
- 果樹
- 花き
など、たくさんの業種の農業バイトをご紹介しています。
どの業種に向いているのか確かめたい、まずは体験してみたいという方にピッタリです。
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