「この歳で農家を始めてうまくいくかな…」
「農業を始めるのは、何歳までがセーフ?」
農業に興味がある方は、こんな風に思っているかもしれません。
たしかに、農業は体力が必要ですし、年齢が高いほど体がついてくるか心配になりますよね。
また脱サラして農家へ転身する場合、事前に最適な年齢を知って将来設計をたてたいところ。
実際に、令和2年に農業を始めた方の年齢を見てみると、
- 49歳以下…18,380人
- 50~59歳…7,300人
- 60~64歳…9,030人
- 65歳以上…19,030人
このように、65歳以上の新規就農者が最も多いんです!
農業は体力仕事なので若い方が良いのは事実ですが、シニア世代でも農業を始められます。
「農業をやりたい!」と思ったときが、適性年齢なんですよ。
ただ、新規就農者向けの補助金や支援には、年齢制限が設けられています。
くわえて年代別にメリット・デメリットも違うので、農業を始める前に確認しておくのがベター。
新規就農の実態や年代別の注意点を把握しておくと、ギャップが少なく、年齢を重ねても長く農業を続けられるでしょう。
この記事では、
- 農業を始めるのに最適な年齢
- 農業を始めた人の実態
- 年代別のメリット・注意点
をご紹介します。
ぜひ参考にしてくださいね。
農業を始めるのに最適な年齢は?
冒頭でもお伝えした通り、農業は年齢に関わらず始められるお仕事。
ただ農業を始めるときは、農地や機材を用意したり、知識やスキルを身につけるために学校に通ったり、初期投資にかかる金額が大きいです。
そのため、国や自治体は新規就農者を対象とした支援を用意しています。
新規就農を目指す方は
- 農業次世代人材投資資金(準備型・経営開始型)
- 青年等就農資金
こちらの2つの補助金の内容を把握しておくと◎。
就農前の研修期間のサポートや無利子での借入、最長5年間の定額交付など、心強い支援を受けられます。
それぞれ年齢制限が設けられているため、補助金や支援を受けたい方は事前に確認しておくこと。
農業次世代人材投資資金は49歳以下、青年等就農資金は18歳以上45歳未満が対象です。
また、青年等就農資金は特例として、一定の条件を満たせば45歳以上65歳未満でも受けられます。
補助金の活用を検討している方は、支援の内容を事前に確認することで、就農する年齢を決める目安になりますよ。
当サイトでは、農業次世代人材投資資金(準備型・経営開始型)と青年等就農資金の内容や条件を詳しくまとめています。
気になる方はぜひ参考にしてください。
次に、令和2年に農業を始めた方の年齢別の割合を詳しくお伝えいたします。
農業を始めた人の実態
令和2年の新規就農者数
男女計 | 53,740 |
15~19歳 | 990 |
20~29歳 | 5,480 |
30~39歳 | 5,810 |
40~49歳 | 6,110 |
50~59歳 | 7,300 |
60~64歳 | 9,030 |
65歳以上 | 19,030 |
こちらは、農林水産省が新規就農者について調査した統計情報をまとめた表です。
令和2年に新規就農した方は、男女あわせると53,740名。
年齢別の割合は65歳以上が19,030人と、准高齢者で農業を始める方が最も多いと分かりますね。
続いて、男女別の年齢の割合をご紹介いたします。
令和2年の新規就農者数:男女別
男性 | 38,800 |
15~19歳 | 710 |
20~29歳 | 4,160 |
30~39歳 | 4,050 |
40~49歳 | 4,040 |
50~59歳 | 4,730 |
60~64歳 | 6,440 |
65歳以上 | 14,680 |
女性 | 14,940 |
15~19歳 | 280 |
20~29歳 | 1,320 |
30~39歳 | 1,760 |
40~49歳 | 2,070 |
50~59歳 | 2,570 |
60~64歳 | 2,600 |
65歳以上 | 4,350 |
新規就農者の男女別の割合は、男性が38,800人、女性が14,940人と男性の方が多いです。
どちらも65歳以上の方が最も多く、次に多いのが60~64歳。
男女ともに、シニア世代で農業を始めている方がほとんどです。
実は新規就農は、大きく分けると「新規自営農業就農者」「新規雇用就農者」「新規参入者」の3つに分かれ、それぞれ農業を始めるときの大変さが異なります。
男女別で見たときはシニア世代が最も多いですが、新規就農の種類別に見ていくと、年齢のボリューム層が大きく変わってくるんですよ。
つづいて、就農形態別の割合をお伝えしますね。
就農形態別の割合
新規自営農業就農者 | 新規雇用就農者 | 新規参入者 | |
年齢/男女計 | 40,100 | 10,050 | 3,580 |
15~19歳 | 290 | 690 | 10 |
20~29歳 | 2,190 | 2,810 | 480 |
30~39歳 | 2,740 | 2,000 | 1,070 |
40~49歳 | 3,230 | 1,860 | 1,020 |
50~59歳 | 5,620 | 1,220 | 460 |
60~64歳 | 8,050 | 780 | 200 |
65歳以上 | 17,990 | 700 | 340 |
- 新規自営農業就農者…家業を継いで農家になる
- 新規雇用就農者…農業法人や企業に就職する
- 新規参入者…起業して農業を始める
新規就農の種類は、大きく分けるとこちらの3つ。
就農形態別の年齢分布を見ると、「65歳以上で家業を継いで農家になる方」が最も多いです。
農家になるには、農地や農具、施設の準備や野菜を育てる知識などが必要ですが、ほとんどそろった状態で始められるのが”新規自営農業就農者”。
そのため、シニア世代でも農業を始めやすく、60歳以上が多い傾向にあります。
実際に表を見ると、シニア世代は”新規自営農業就農者”に偏っていることが分かりますね。
一方、起業して農業を始める方の年齢は30~49歳に集中。
農業で起業するとなると、作物や技術、経営の知識を習得したり、農地や設備の初期投資を用意したり、膨大な時間やお金が必要になります。
そのため、新規参入者として農家を始めるのは、シニア世代よりも若い世代が多いです。
ご自身の目指す農家の姿によって、農業を始める最適な年齢が変わりますよ。
なかには「実家が農家じゃないから、雇用就農か新規参入しか道はないのか…」なんて方もいるかもしれません。
もし家業を継ぐ形で就農したい方は「第三継承」という、後継者のいない農家さんと新規就農希望者をマッチングする支援を活用してみてください。
第三継承の詳細は、農林水産省の補助事業である「農業をはじめる.JP」で詳しく紹介されています。
また、当サイトでは新規就農のそれぞれの特徴や違いについてもまとめています。
気になる方はあわせてご覧ください。
次に、農業を始める年代別のメリットや注意点をお伝えいたします。
農業を始める年代別のメリット・注意点
10代・20代
10代・20代で農業を始めるメリットは、体力があることです。
農業は肉体労働のため、体力が必要なお仕事。
同じ姿勢で何時間も作業をしたり作物の入った重いかごを移動させたり、暑かったり寒かったりと、体への負担が大きいです。
ただ、資金の確保や調達がネックなのがこの年代。
- 学校を卒業したばかりで蓄えがない
- 農業を経営するノウハウが未熟
などの理由から、農業で生計を立てていくハードルは高いでしょう。
そのため、安定した収入が得られる雇用就農や新規自営農業就農を選ぶ方が多いです。
ゆくゆく独立を目指す方も、まずは雇用就農や親元で農業を始めるのがおススメですよ。
30代・40代
30代・40代が農業を始めるメリットは、体力や資金、経験などのバランスが良いこと。
「新規雇用就農者」「新規自営農業就農者」「新規参入者」、どの形態で就農しても問題なくこなせるでしょう。
また就農形態別のデータにもあるように、新規参入者で一番多いのは30歳~49歳。
- 社会人経験を積んでいる
- ある程度の資金がある
- 体力や知識がある
このような理由から、農業を始めるのに最もハードルが高い“新規参入者”でも成功しやすいです。
ただ脱サラをして農業を始める方は、今までの収入よりも低くなる可能性があることを覚悟しておいてください。
たとえば、30代・40代で農業法人に転職した場合、経験がなければ未経験での雇用となり、収入が下がる傾向にあります。
また農園の経営は、戦略次第で売上をアップできますが、作物の出来や農園の規模で年収が左右される場合がほとんどです。
当サイトでは、農家の年収についてまとめています。
平均年収や生計を立てるポイントをご紹介しているので、あわせてご確認ください。
50代・60代
50代・60代で農業を始めるメリットは、資金や人生経験、時間が豊富なところ。
定年退職や早期リタイアをしたあとに農業を始める方が多く、時間的に余裕を持って取り組めるのが一番のメリットでしょう。
ただ、50代・60代の新規就農には注意点もあります。
- なるべく体への負担を軽減すること
- 時代にあった戦略を取り入れること
体力面の不安は、作業の機械化や人の雇用で、体や作業の負担を軽減すると◎。
ケガや体力の消耗を最低限におさえることで、長く農業を続けられるでしょう。
また農業で生計をたてるには、時代にあわせた販売方法を取り入れなければなりません。
以前の農家は作物を育てるのがメインでしたが、最近は農業の6次産業化が進んでいます。
6次産業化とは、作物の生産だけではなく、加工や販売まで手がけること。
道の駅や店舗、インターネットなどの新しい販路を開拓したり、収穫したお野菜を加工して売ったりしている農家が増えています。
6次産業化は農林水産省も推進しているので、今後ますます注目されていくでしょう。
情報をすぐに掴めるように、ネットやSNSを活用してアンテナをはっておくと良いですよ。
農業を始めたいけど年齢が気になっているあなたへ
最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
農業を始めるのに最適な年齢や年代別のメリット、注意点などをお伝えいたしました。
新しいことを始めるときに「今からでも遅くないかな…」「成功しなかったらどうしよう」と、不安になる方は多いです。
農業は、年代によってメリットや注意点がありますが、10代からシニア世代まで幅広い年齢の方が始めています。
事前にしっかり計画を立て、知識と経験を積み重ねれば、年齢に関係なく農家になれますよ。
ただ計画や知識、経験が不足していると、理想と現実のギャップが大きくなりがちです。
また「本当に農業をやりたいのか」「適性があるのか」も、就農前に確認しておきたいところ。
もし適性があるかわからないのであれば、まずは農業バイトを体験してみるのがおススメです。
農作業をしてお金を稼ぐことで、精神的や体力的にも、自分が農業に合っているかが分かります。
また、農家さんと一緒に作業をしたり話をしたりすることで、就農のイメージが沸きやすいですよ。
農業バイトをお探しでしたら、当サイトジモベジワークスをご活用ください。
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