「農業」というと、屋外での肉体労働で、男性向けの仕事だと思われる方が多いかもしれません。

しかし実は今、「農業女子」という言葉が生まれるほど、農業バイトに挑戦する女性が増えています。

女性目線のきめ細やかな配慮や、高い情報収集能力を農業に活かして活躍する女性がたくさん。

国も「農業女子プロジェクト」という、女性が農業で活躍しやすい支援を行っているんです。

ですが、農業に興味があっても、仕事内容や給与面がわからず、一歩踏み出せない方もいるかもしれません。

そこで本記事では、農業バイトに挑戦してみたいと考えている女性のために、下記についてご紹介します。

  • 農業バイトの作業内容
  • 農業バイトのメリットとデメリット
  • 農業バイトの給与や雇用形態
  • 農業バイトをはじめる方法

農業バイトは女性でもできる!作業内容は?

アルバイトやパートとして農業に従事する女性が増えていますが、ひとくちに「農業」といっても、仕事内容は多岐にわたります。

農業バイトの主な仕事内容4つと、少し変わった仕事内容2つをご紹介しますね。

①作付け・管理

作物の作付や田植えを行います。

シーズンを通して作物への水やり、草むしり、害虫駆除などを行い成長をサポート。

作物が育っていく様子を近くで見る楽しさがある一方で、泥仕事や虫が苦手な女性は注意が必要です。

②収穫・選別

収穫した作物に傷がついていないか確認したり、形が悪いもの(規格外作物)がないかを選別したりするお仕事です。

女性ならではのきめ細やかな視点が最大限に活かせる作業で、とくに普段から野菜を手にする機会の多い人にはオススメですね。

③出荷

仕分け後、箱詰めされた作物を市場や取引先に運ぶお仕事です。

小さな作物であっても数が多いと相当な重さになるため、普段から体力に自信がある女性に向いています。

④イベント受付

トマト狩りやいちご狩りなどのイベントを開催する農家で、受付やお客様への説明を行う仕事です。

接客が好きな女性にはとくにオススメで、短期間のお仕事が多めですよ。

次に、少し変わったお仕事内容を2つご紹介します。

⑤農家の家事手伝い

家族で農業を営んでいる農家は、家事に割ける時間が少なく、家事手伝いとしてアルバイトを募集することがあります。

仕事内容は掃除、洗濯、料理などが中心で、農繁期は作付けや収穫などの農作業も手伝いますよ。

⑥農家の経理・事務作業

農業で収入を得ている農家は、確定申告や決算申告を行わなければなりません。

ただし、農家は一般企業の会計方法とは異なり、農業簿記の知識が必要です。

農作業を行いながら経理も行うとなると非常に大変なため、経理や事務作業のバイトを募集する農家もいます。

自身で農業経営を考えているのなら、勉強にもなるので、農業簿記の資格を取得しておくといいですよ。

続いては、農業バイトのメリットとデメリットについてご紹介します。

農業バイトのメリットやデメリットは?

どんな仕事にもいい面と悪い面があります。

いざ農業バイトをはじめてみたけれど、「思っていたのと違った…」とならないために、事前に農業バイトのメリット・デメリットをしっかりと把握しておきましょう。

メリット1:農業の知識や技術を学べる

短期間や単純作業であったとしても、農業に携われるのが農業バイトの大きなメリットです。

農業の知識は専門書を読めば得られますが、実体験で学べる知識は計り知れません。

シーズンを通して作付けから出荷まで一通り経験できる農業バイトもあり、農業を学びたい人には貴重な経験となるでしょう。

メリット2:自然の中で作業できる

農作業のほとんどは自然の中で行います。

作物を育てるためには、ある程度の広い土地が必要で、農地は都市部ではなく郊外にあるのがほとんど。

車の排気ガスもなく、新鮮な自然の空気を存分に味わえます。

また住み込みで農業バイトに就労すると、長期間郊外で生活するため、田舎生活を堪能できるのも大きな魅力ですね。

メリット3:体を鍛えられダイエットにも効果的

農業の仕事内容は多岐にわたりますが、基本的には体を動かす作業です。

広大な畑の中を動き回るため、自然と体を鍛えられるのが農業バイトのメリットといえるでしょう。

体力に自信がない人は、はじめる前に最低限の基礎体力をつけておくといいですね。

メリット4:収穫物を無料でもらえる

農家によっては、傷がつき規格外になった作物を無料でもらえる場合があります。

とれたての新鮮野菜の美味しさは、普段経験できるものではありません。

もらった野菜は持ち帰るもよし、近所の人におすそわけするもよし。

住み込みでバイトをすると食事を無償提供してもらえることもあるので、食費が抑えられるのも大きな魅力です。

メリット5:住み込み求人が多い

農業バイトは、収穫シーズンのみの短期だけでなく、住み込みでの長期募集も多いです。

住み込みで就労すると、作付けから収穫まで、シーズンを通して作業を行います。

住む場所は、農家に住み込む場合もあれば、他作業者とのシェアハウスや寮などさまざま。

一定期間郊外で生活するため、田舎暮らしに憧れがある人は、住み込みで農業バイトに挑戦してみましょう。

デメリット1:早朝作業

農業は朝早いのが特徴で、農繁期は夜遅くまでの作業もあるため、早起きが苦手な人は大変かもしれません。

夜型生活の人は、農業バイトが始まるまでに朝型の生活に切り替える必要があります。

デメリット2:単純作業

農作業の多くは単純作業です。

作物の植え付けや水やり、草むしりや収穫、さらに箱詰め作業など、朝から晩まで同じ作業の繰り返しとなるため、飽き性の人は苦手と感じるかもしれません。

デメリット3:腰に負担がかかる

農作業の多くは中腰で作業を行うため、腰にかなりの負担がかかってしまいます。

普段、家事で中腰姿勢が多くても、農業バイトとは異なると覚悟しておきましょう。

デメリット4:汚れてしまう

農業アルバイトは、屋外での作業が中心です。

土いじりや草むしりをすれば、汚れを防ぐことはできません。

作業をする際には汚れてもいい服装を選びましょう。

また季節に関係なく、農作業をする際は長袖長ズボンが基本です。

これは、直射日光による体温上昇を防ぐためです。

夏の気温が暑い時期は、通気性の良い長袖を選ぶようにしてくださいね。

デメリット5:収入が安定しない

農業は天候に左右される仕事です。

雨や台風で作業がない日は無収入になってしまう可能性があるため、毎月決まった収入が得られるとは限りません。

農業バイトはいくらくらい稼げるの?

女性が農業バイトで働くとしたら、毎月どのくらいの収入が得られるのでしょうか?

農業バイトの給与体系は、働き先の農家によって時給・日給・月給などさまざまです。

平均的な農業バイトの給与について解説しますので、参考にしてくださいね。

時給相場

農業バイトの平均時給は800~1000円前後です。

地域ごとに差はあるものの、各都道府県の最低賃金程度がほとんどなので、事前にいくら稼げるか計算しておくといいでしょう。

日給相場

農業バイトの平均日給は6000~9000円前後です。

ただし日給は時間での給与ではないため、作業時間が3時間や5時間でも日給額は変わりません。

時給換算のように、時間をかけて作業すれば給与が増えるわけではないので、注意しましょう。

住み込みでの給与相場

住み込みバイトは日給制と月給制にわかれ、日給だと8000~10000円、月給だと18~20万円が相場です。

ただし1日8時間以上働いても、日給額は変わりませんので注意しましょう。

一般的なアルバイトは、8時間以上の労働に対して時間外給与が支払われます。

ですが農業は自由に休憩時間を取れるため、労働基準法の規定が適用されません。

月給制も同様で、作業の遅れで休みが取れなかったとしても、月給額は変わらないため、一般的なアルバイトとは違う労働時間であると最初に理解しておきましょう。

農業バイトの雇用形態

農業バイトは、短期と住み込み、2つの雇用形態が多いです。

どちらが自分に向いているか、参考にしてみてくださいね。

①短期バイト

作付けや収穫など単一作業での募集が多く、農業初体験の方にオススメの働き方です。

ただし収穫時期だけの短期バイトがほとんどのため、長期的な収入は期待できません。

時給も地域によって違い、各都道府県の最低労働賃金程度がほとんどです。

②住み込みバイト

住み込みバイトは、住み込みで働くタイプの雇用形態です。

農業法人のような大企業であれば、寮が完備されているケースもあります。

家賃は、無償だったり給与から天引きされたりと、勤務先によって違うので事前に確認しておきましょう。

また給与も雇用先によって時給制、日給制、月給制とさまざまなので、併せて確認が必要です。

遠方での就労で住み込みバイトする場合は、就労までに荷物を運びこんでおかなければなりません。

就業するまでのスケジュール管理もしておきましょう。

女性でも農業バイトで優遇される資格

農業バイトは資格が無くても就労可能です。

ただし、下記のような資格を持っていると優遇されやすいためチェックしておきましょう。

普通自動車運転免許

農業現場では、軽トラやトラクターを運転する機会があるので、普通自動車運転免許を持っておくと役立ちます。

軽トラはAT車よりもマニュアル車が多いため、マニュアル免許を取得した方がいいですね。

トラクターは「小型特殊自動車免許」なので、普通運転免許を取得していれば運転が可能です。

大型特殊自動車運転免許(農耕車)

大きなトラクターやコンバインなどで公道を運転するには、大型特殊自動車免許が必要です。

農耕車限定の免許制度もあり、運転免許試験場や農業大学校の研修などの取得方法があります。

とくに後者の取得方法は、取得費用をおさえられますので覚えておきましょう。

けん引免許

けんいん(牽引)免許は、車両総重量が750kgを超える車を公道でけん引する際に必要です。

自動車学校によっては大型特殊自動車免許とセットで取得できるプランもあり、農業を本格的にはじめようと思っているのであれば取得を検討してみましょう。

日本農業技術検定・日本農業検定

農業知識に関する資格で1~3級まであります。

実技の試験もあるため、取得した知識を農作業に活かすと、農家の人にきっと喜ばれるでしょう。

農業簿記検定

農業の経理は、通常の商業簿記とは違う農業簿記の知識が必要です。

農業簿記を持っていれば、農作業以外のお手伝いも出来て、農家の人に重宝されること間違いなしですよ。

農薬管理指導士

農作業では、農薬を使用して害虫の駆除や予防を行います。

農薬管理指導士の資格があれば、農薬の適切な使用について助言・指導が可能となり、作物の品質向上に貢献できますよ。

野菜ソムリエ・野菜コーディネーター

野菜や果物の特徴、選定方法や保存法、素材に合わせた調理方法などを学ぶための資格です。

資格取得後、たとえばSNSで調理法を発信すれば、作物の認知につながり地域の農業活性化に貢献できるかもしれません。

農業バイトをはじめたい女性の方へ

農業バイトに携わる女性は年々増加しています。

しかし仕事内容や給与に不安を感じ、なかなか挑戦できない方もいるかもしれません。

「農業バイトに興味があるけれど、実際どうなんだろう?」と考えているなら、まずは農業バイトの求人が掲載されている「ジモベジワークス」を利用してみましょう。

ジモベジワークスとは、単発で農業バイトをしたい方に向けて、農家さんからの依頼を紹介しているサービスです。

サイトには、農家さんからの依頼が掲載されていて、求職者の方は「好きな日時」「場所」などの詳細をチェックして、働きたい仕事に応募するだけ。

自分で出勤日や時間を自由に組めるため、空いた時間に農業バイトをしたいときはかなりオススメです。

ぜひあなたも、ジモベジワークスを利用して農業バイトに挑戦してみてくださいね。