「農家になるのに、必要な資格はあるの?」
「農家には、専門的な資格が必要なのかなぁ」
農家に興味がある方は、こんな風に思っているかもしれません。
結論からお伝えすると、農業を行ううえで必須の資格はありません。
農地があって、作物を育てるノウハウがあれば、誰でも農家になれますよ。
ただ、農家の仕事は多岐にわたり、専門的な知識やスキルが求められます。
また農家を営むうえで必要な認定や、持っておくと便利な資格があるんです。
たとえば、新しく畑を借りたり購入したりするときには「農家資格」が必要。
また、作物や機材の移動には「普通自動車運転免許」がないと困りますし、農園の規模によっては「大型自動車運転免許」が必要な場合もあります。
そのため、目的にあわせて資格やスキルを取得しておくとよいですよ。
この記事では、
- 農家に必要な資格
- あると便利な資格
をご紹介いたします。
ぜひ参考にしてくださいね。
農家に必要な資格
- 農地の購入や借入「農家資格」
- 農機の運転「普通自動車免許」「大型自動車運転免許」
- 農薬の使用「毒物劇物取扱責任者」
- 農作物の育成「日本農業検定」「日本農業技術検定」
必須ではないけれど、農家に必要となる代表的な資格はこちら。
農業には、農地の確保や農機の運転、作物の栽培に関わるさまざまな資格があります。
取得することで知識が深まったり、効率的に作業を行えたりする便利な資格ばかりですよ。
それぞれの特徴や取得方法について、詳しくお伝えします。
農地の購入や借入に必要な「農家資格」
農地の購入や借入に必要なのが「農家資格」です。
農家資格を簡単に説明すると、「この地域で農家として働きます」と市区町村に申請すること。
「認定申告書」や「営農計画書」を市区町村に提出し、「農地基本台帳」に登録されると取得できます。
訓練や試験が必要となる「資格」とは異なりますが、農地がないと農業ができないため、必須といっても過言ではありません。
もし親が農家を営んでいて、すでに農業委員会の農家台帳に名前が記載されているのであれば、農家資格を所持していることになりますよ。
農機の運転に必要な「普通自動車免許」「大型自動車運転免許」
作物や資材の運搬、農地の移動では、自動車や軽トラックを利用する農家がほとんど。
作業効率化のためにトラクターやコンバインなどの専用農機を利用する場合もあるので、「普通自動車免許」を取得しておくと良いでしょう。
また、農園の規模によっては大型の農機を使用するため、「大型特殊自動車運転免許(農耕車限定)」や「けん引免許」を取得する農家も少なくありません。
大型自動車運転免許(農耕車限定)やけん引免許は、各地のJAや農業大学校で取得できます。
3日ほどかけて研修と試験が行われ、費用は数千円程度です。
研修の人数や申し込み期間は制限されているので、事前に調べておきましょう。
農薬を使用する際の「毒物劇物取扱責任者」
除草や外虫駆除で使用するのが農薬です。
農薬は毒物に定められており、人体へ害をもたらす恐れがあるため、取り扱いには十分注意が必要。
また、使用方法や量を間違えると、せっかく育てた作物をダメにしてしまう場合もあります。
農薬を取り扱うにあたり、農協では「毒物劇物取扱責任者」の設置を義務付けており、資格取得を促しているんですよ。
「毒物劇物取扱責任者」の資格試験は、自治体ごとに行われ、開催頻度は年に1回。
各都道府県のサイトで、試験の日時や場所が発表されるので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
農作物の育成に係る資格「日本農業検定」「日本農業技術検定」
「日本農業検定」「日本農業技術検定」は、農業全般の知識や技能の目安となる資格です。
農業の基礎的な知識を学べるのが「日本農業検定」。
知識や技術の習得度を、学科や実技試験によって測れるのが「日本農業技術検定」です。
農業の知識や技術を得られるため、日々の農作業に活かせます。
また農業法人への就農を考えている方は、履歴書や面接でのアピールポイントに◎。
農家を目指している方なら、取得しておいて損のない資格ですよ。
「日本農業検定」「日本農業技術検定」の試験は、インターネットで申し込みをします。
「日本農業技術検定」を受ける方、…一般社団法人全国農業会議所のホームページ
「農業検定」を受ける方…日本農業検定協会のホームページ
それぞれ開催している機関が違うので、注意してくださいね。
農家がもっていると便利な資格
- 野菜の栽培・収穫・販売方法「美味安全野菜栽培士」
- 農業機械の操作「農業機械士」
- 産業用ドローンの使用「産業用マルチローターオペレーター技能認定」
- 農業経営用の簿記「農業簿記検定」
ここからは、農家を目指す方が取得していると便利な資格を一部ご紹介。
資格取得の勉強をすることで知識が増えたり深まったりするため、日々の業務や作物の品質管理に活かせます。
また、取得すれば農作業の幅が広がり、効率アップを狙える資格も少なくありません。
必須ではありませんが、農家を始めるときに役立つ資格ばかりですよ。
野菜の栽培~収穫から販売方法まで学べる「美味安全野菜栽培士」
「美味安全野菜栽培士」は、資格取得を通して、野菜の栽培〜収穫だけでなく販売方法まで総合的に学べます。
通信講座で6か月のカリキュラムをこなせば、
- 無農薬と有機栽培のコツ
- 栽培と収穫の方法
- 直販・ネット・通信販売のノウハウ
などが身に付くんです!
課題を提出して修了認定を受けると、認定証明書が発行されますよ。
また、過去には美味安全野菜栽培士の受講生が文部科学大臣賞を受賞。
通信教育を優秀な成績で終了された方を表彰するもので、毎年表彰されています。
表彰者が輩出されているのは、通信教育の制度がしっかりと整えられている証拠です。
詳細は、日本園芸協会のホームページをチェックしてみてください。
農業機械の操作に役立つ「農業機械士」
「農業機械士」は、農業機械に関する知識や基本操作技術を学べます。
農機のメンテナンスもできるようになるため、日々の農作業で活用しやすく、企業で重宝される資格です。
資格の取得には、各都道府県が実施している養成研修を受け、学科と実技の試験に合格する必要があります。
実施日や申し込み期日、費用などは、各都道府県ごとでさまざま。
受講対象者の居住地が指定されている場所もあるので、事前に各都道府県のホームページで確認しましょう。
産業用ドローンの使用に必須「産業用マルチローターオペレーター技能認定」
近年需要が高まっているのが、ドローンを使った農薬散布。
短時間で農薬を散布できるため、労働力不足を補えると注目されています。
農業従事者の高齢化・減少問題を、ドローンによって解決できると期待されているんですよ。
産業用ドローンの使用に必要なのが「産業用マルチローターオペレーター技能認定」。
農林水産航空協会が指定している施設で、操作技術や学科教習を修了します。
技能認定に合格すると、農業で使用するドローンの操縦資格を取得できますよ。
ただ、産業用マルチローターオペレーター技能認定は、ドローンの機体が変わるたびに試験を受ける必要があるので注意しましょう。
農業経営に特化した簿記「農業簿記検定」
農業簿記とは、農業の経営に特化した簿記のこと。
通常の簿記に関する知識から、農業に特化した勘定科目や原価計算など、営農するうえで重要な知識を習得できます。
また、農業では補助金制度が多く用意されており、申請するときに帳簿作成が必要です。
補助金制度の申請にも、農業簿記検定の資格は役立ちますよ。
自営や起業して農家をしていく方は、健全な農業経営ができるだけでなく、収益を出していくための経営スキルも学べるので、取得しておいて損のない資格です。
農業簿記検定の試験は、7月と11月の年2回実施されています。
詳細は、一般財団法人日本ビジネス技能検定協会のホームページに掲載されているのでチェックしてみてください。
農家に興味がある皆様へ
最後までお付き合いいただきありがとうございます。
この記事では、農家になるのに必要・便利な資格をご紹介しました。
農家を目指すうえで、必要となる資格や取得しておいた方がいい資格はさまざまです。
営農するうえで必要な免許や資格を事前に把握して、取得の勉強をしておくとよいですよ。
ただなかには「資格の種類が多すぎて迷う…、どれが自分に必要なの?」なんて方もいるかもしれません。
必要な資格がわからないのは、農家になるイメージがはっきり浮かんでいないから。
農業体験を重ねたり、農家さんに話を聞いたりすると、農家になる計画が立てやすいでしょう。
もし農家さんのアドバイスを聞いてみたいなら、まずは単発の農業バイトをしてみると◎。
1日単位なのでさまざまな農家さんと会えますし、農作業を通してリアルな話を聞くことができます。
全国各地の農家さんの話を聞いてみたい方は、当サイトジモベジワークスをご活用ください。
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1日単位で就農できるので、気軽に利用できますよ。
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